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ISO80369シリーズ誤接続防止コネクタとは?

「ISO80369シリーズ」は、医療安全、特に医療機器間の誤接続防止を趣旨として制定された内径8.5mm以下の新たなコネクタの国際規格です。
誤接続防止コネクタは、「ISO80369シリーズ」で規定されるコネクタの日本国内での名称です。「相互接続防止コネクタ」「小口径コネクタ」と呼ばれる場合もあります。
国際的には、「Small bore connectors」と呼ばれています。

国際的経緯・趣旨

  • ◆ ISOでの検討は、2006年頃から開始され、2016年に複数の規格が発行されています。
  • ◆ ISO80369シリーズは6分野があり、形状を変えて各分野間で相互に物理的な接続を不可能(非接続)にする構造を規定しています。
  • 神経麻酔分野は、「ISO80369-6」です。

国内導入の主な行政動向

主な動向
内容
開催日:平成27(2015)年5月12日
厚生労働省第27回医薬品・医療機器等対策部会
ISO80369シリーズの国内導入について議論・承認
ISO80369-6 2016年3月制定
神経麻酔分野コネクタ規格
行政通知(平成29(2017)年10月4日付)
「誤接続防止コネクタに係る国際規格(ISO(IEC)80369シリーズ)の導入について」
ISO80369シリーズの国内導入をする予定である旨概要説明
行政通知(平成29(2017)年12月27日付)
「神経麻酔分野の誤接続防止コネクタ製品の切替えについて」
既存製品の出荷期間識別の表示変換
コネクタに取扱い対象品目 等
発出 2018年2月1日
改正承認基準・改正JIS発出
国内で製造販売を可能にするため。

分野

2018年8月現在

分野(ISO No.)
内容
呼吸器システム及び気体移送(ISO80369-2)
未制定
呼吸ガスモニターのガスサンプルライン、圧測定のライン、呼気バルブのライン など
経腸栄養(ISO80369-3)
制定:2016年7月
栄養バッグ、栄養セット、混注ポート、経鼻・十二指腸・空腸チューブ、PEG/PEJ など
泌尿器(ISO80369-4)
未制定
分野としては、残っているが、国際会議での議論は全くされていない。
四肢のカフ拡張(ISO80369-5)
制定:2016年3月
血圧計のチューブコネクタ(腕帯の接続部)
神経麻酔(脊椎麻酔,硬膜外麻酔及び神経ブロック)(ISO80369-6)
制定:2016年3月
スパイナル針・神経ブロック針・硬膜外針・硬膜外麻酔用カテーテル など
皮下注射及び血管系等(ISO80369-7)
制定:2016年10月
ISO594シリーズに替わる規格。基本的な接続性は担保されている。シリンジ、注射針など

※上記以外に「ISO80369-1:一般的要求事項」「ISO80369-20:試験方法」

既存品
誤接続防止製品
ルアーコネクタ(ISO594-1,594-2)
誤接続防止コネクタ(ISO80369シリーズ)
利便性:◎ 誤接続:×
利便性:× 誤接続:◎
ほとんどの医療機器間での接続が可能
同一カテゴリの医療機器間でしか接続ができない

導入による影響

「誤接続防止コネクタ製品」は、「既存品」との間で接続ができなくなります。

例示(神経麻酔分野)
誤接続防止コネクタのスパイナル針と既存のシリンジは接続ができません。

非嵌合の構造

  • ◆小口径コネクタのメスは、既存品のメスと比較して一回り細い形状で、矢印部が干渉して既存のオスへの接続ができません。
  • ◆小口径コネクタのオスは、カラーがあり、このカラーが既存のメスの外周(矢印部)と干渉し、接続ができません。

非接続の構造

  • ◆接続部のテーパ角度の違い
    既存のテーパ:6/100 小口径のテーパ:5/100
  • ◆誤接続防止コネクタのオスは、カラー内部に螺旋状の溝があるものが「ロック」。溝がないものが「スリップ」です。

誤接続防止コネクタのオスはカラーと呼ばれる筒で覆われている。

考え方

  • ◆行政通知「神経麻酔分野の小口径コネクタ製品の切替えについて」の別添表で示されています。
  • ◆手技ではなく、使用する医療機器で対象品を特定しています。
    1.「スパイナル針」
    2.「神経ブロック針」
    3.「硬膜外針、硬膜外麻酔用カテーテル」

    とこれらに接続して使用する機器です。
  • ◆皮下針は対象外です。これを用いての局所麻酔、神経ブロック等は従前と変更ありません。

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